●施工費(工事費)見積9 ー納得のできる見積ー2009/07/24 15:44

さて、見積の話のラスト抄。
”納得のできる見積” ”分かり易い見積”
に関してです。

先にの「材」「工」でも触れましたが、
基本的に『原価見積』を工務店に求めています。
(協力業者と調整の上のリアルな単価!)
工務店によっては、最終原価(支払い書添付)にて差額清算をするところもあります。(追加は別途清算)
もちろん、設計事務所はほぼ原価を把握している訳ですが。
無為な調整、ネゴのやり取りが減り、施主にしても駆け引き無く気持ちよく契約に至るケースが多いです。

そして、重要になってくるのは”経費”です。
ここが、工務店の利益となります。

以前は、材工一式や材に上乗せ単価が多く、結局、見積のブラックボックスのため、一般の施主にとっては「まだまだ安くなるのでは?」と、工務店においては「値切り幅をふかしての見積」となっていました。そして、ザックリと経費を削ずったり等の調整となります。見せかけ(見積書上)では、工務店利益が無い状況となります。(逆に値引き幅をふかす必要もあった訳です。)益々ブラックボックスの状態でした。

『原価見積』はこの”経費”を純(工務店の粗利)利益として確定することにあります。

では、”経費”は実際にどれくらいか?
地域差、工務店規模の大小はありますが、一般住宅の場合、概ね工事総額の15%前後です。(10%以下では厳しく、20%では良い仕事というところでしょうか?)
注!!あくまで、原価見積の上での話です!!

では、大手ハウスメーカーなどは?企業努力と言えばそうですが?大量仕入れ、ローコスト化、量産品(大手メーカー用に供給する廉価製品等)、原価を公表せず不明確な状況(原価に利益をふかした状態です)。さらに、下請けへの低工賃。

もっとも、広告宣伝、営業、多くの従業員を雇用するためには当然、それなりの、実質経費が必要です。
つまり、プロが拝見するに、総工事費の30%から40%の売り上げとなっています。

つまり、実物の住宅にかかっている価値は、町場の工務店(経費15%とすると)より、15%から25%低いということになります。

設計事務所に設計報酬を払ったとしてもお釣りが出るし、自由なプランや空間、厳選した仕様材料の提案等。
施主+設計事務所+工務店のコラボレーションはさらに住宅の空間価値も高めます。

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