隣地のリファインにおける近隣相談2015/10/27 00:28

以前のクライアントから、南側全面の隣地がリフォームに、いわゆるリファインの計画があり相談がありました。

クライアントも見識とバランスもあり、さしたるアドバイスも出来ませんでしたが、近隣関係はデリケートで色んな相談も受けてます。

先方からの、クライアント敷地の使用の申し出で気になる点があったようです。

--相談--

敷地の一部(幅2m×50cmくらい、)を足場用地として使わせていただきたい。3ヶ月程度。
1階(にキッチンの風通し用の縦窓が入ります。2階の窓は、いま1ヶ所ですが、今より小さいのが2ヶ所になる予定です。」
とのことでした。


 違法行為ではないですし、先方も近隣対策ノウハウがあるでしょうから、結局は押し切られると思います。また、引っ越してくる人と仲悪くなりたくないですし、民法上も土地を貸さないわけにもいかないと思うので、落としどころとしては、
(1)入居者全員に対して、「この建物は敷地境界線から50cm以内に建物が建っていて既存不適格(とは言わないのかもしれませんが民法の規定に違反している)であること」を徹底周知してもらいたい。
(2)民法で定められているとおり、敷地境界線から1メートル以内に設置する窓に目隠しを付けてもらいたい。
ということを考えています。(別にお金は要らないので)
  ご面倒なことでたいへん申し訳ありません。(2)あたりは可能でしょうか?または他の対応の仕方はあるでしょうか?


--返信--


1.プライバシー上、目隠しの要望は妥当です。ただし、どのようなものにするかは相互に調整を要します。型ガラスで良しとするケースもありますので。

2.已む無く隣地を借りる権利は相手側にもあります(民法209)。但し、基本的には所有者同意が必要です。

3.そっくり?は確認申請を要するかどうか?以下の場合は必要ですが!(専用住宅としての用途変更が無い場合)

a.10平米を越える新築、増築の場合です。御宅は準防火地域内なので、規模に関係なく申請は必要です。

大規模の修繕、模様替:過半の主要構造部の修繕、模様替えは小規模の住宅では不要です。

4.先方に要望するのであれば、重要事項の説明の文書、買い手の確認印をもらっておいた方が良いでしょう。

a.目隠し要望。

b.既存不適格建築でるあること?(未椄道。民法隣地から50cm内での建築。将来の新築、増築不可。等)

c.防犯、事故の措置と保険、保証の確約。(ネット養生でなく、防音シートとかも?)

d.使用後の現状回復。等。

 *まー、ご近所のことなので、目の前がきれいになるに越したことは無い程度に思うことも必要かもね!

ただ、プロとしては上記4くらいは要望しておきたいですかね!!


--結果--


 先ほどビフォー&アフターの図面を見せてもらい、以下の点がわかりました。 
・築年は平成4年であること(平成5年度から建築概要書が保存されているので微妙な時期) 
・とりあえず増築はない(壁は厚くなる部分がある)こと 
・こちら側の壁は、外に向かっては厚くしないこと 
・1階・2階とも、計画では、窓は新しい位置に設置され、すべて引き違い窓であるこ と 
・わが家よりも東側の方が近接度合いがひどい(ほぼ0cmのところもある)こと 
・一応接道2mはある(今の家を建てるときに西側の土地を分筆したようで、建てられ るように複雑な線の引き方をしている)こと 
・現場責任者(=図面作成・営業担当者)が週2回以上現場に来ること 

 いろいろ話をして、下記のようにすることとしました。 
・こちら側の窓は、浴室以外、型ガラスの縦滑り出し窓にすること 
・浴室(西端)の窓は、西側に付け替えるか、付け替えられなければ目隠しを付ける こと 
・入居者(家族4人)には、上記の設計変更の説明の際に、民法(新築なら50cm離 し、1m以内の窓では目隠しをしなければならない。将来建て替えをするときには今の 壁面のとおりには建てられない。)を理解してもらうこと 
・施工時には、ネットではなく防塵シートを使うこと 

 貴重なアドバイスをいただき、とても参考になりました。 
 ありがとうございました。 

--返信--

情報が分かれば少し安心ですよね。

少しでもお役に立てたのであれば何よりです。