なんで?管理建築士講習!2009/06/19 01:08

誰に何を教わるの?
先日、管理建築士講習に行ってきました。

管理建築士?は、各事務所に一人、全体の建築士の業務を管理する立場の人です。
この管理建築士が居ない設計事務所は業務報酬のある設計行為ができません。(設計事務所登録の事務所以外は業務報酬を受け取れません!)

姉歯の構造設計偽装以来、国の方針で基準法も改正(改悪)され、官僚は、独立自尊の建築士をこれぞとばかりに管理体制下に納めようとのどさくさに紛れての基準改正です。大半の建築士は、それで、建築界の状況が良くなるとは考えていないのが実情です。

そんな流れの中、今までは「建築士は自ら資質向上に努めるべき」との建築士法上の文言はありました。「自らです」我々は国から免許を与えられた尊厳ある建築士です!
(そうでも無いのが日本の事情、設計と施工者は分離されているのが世界の一般。建築士制度設立時の建設大臣が田中角栄、本人が一級建築士の第一号に!??。そこで、建築士は本来施主の立場に立ち施主の利益を守り、法を遵守する第三者であったはずが?
施工者も建築士になれる状況をつくりました。つまり、営利を求める側に建築士がつけるという状態、設計施工が可能な状況となりました。
無論、今までの大工や棟梁が設計施工を行っていた風土という流れは、ありましたが?所詮、方便、ご都合主義の欺瞞。
もちろん、中には、私の知り合いや、付合った工務店は施主の気持ちに答えるべくぎりぎりのコストで良いものをと言う努力をしていますが?用は、営利追求のハウスメーカーやゼネコン、デベロッパー!?彼等のみに講習すればいいのでは?)

我々は、一戦のコンペもやってるし、経済的に厳しいながらも海外でいろんな街や建築を見て回ったり、書物をあさったりと、日々資質向上に自ずから励んでいます。自己投資がクライアントへの還元と考えています。

ところが、姉歯以降の建築基準法改正で、管理建築士は講習義務が課され、設計事務所所属建築士は3年に1回の講習義務が施されるようになりました。

管理建築士講習、6時間の講習、1時間の修了考査(試験です。ただ99%合格)。途中、30分退席の場合権利失効!ほとんど軟禁状態でした。試験も途中退席無効、30問の正誤。私は10分で多分ほぼ完璧でしたが?退席できず!テキスト持ち込み可でしたので、暇だからテキストで確認?、、問題はテキストのアンダーライン太字からほとんど、後は常識問題でした。

一級建築士33万人程度(二級建築士もいますが、)、そのうち1/3程度が管理建築士講習を受けたとして、約10万人、講習料:1万5750円=15億7500万円です。建設省の告示単価の各人の人件費:8万円/日×10万人=80億円。
つまり、約100億円程度が実浪費含め業務委託団体(天下りもあるかも?)に取り込まれているということです!!

さらに、管理建築士講習は1度のみの受講で良いのですが先の設計事務所勤務の建築士は3年に1回の講習義務、同額程度の受講料、労賃が毎年垂れ流し状態となります。

問題は、資質の低い建築家の排除、施工から独立した第三者以外(施工会社、不動産会社の建築士)は建築士として認めないシステムを作るべきです!海外のように!

話はつきませんから、また、論点を絞ってそのうち一言!

写真は、幕張メッセでの講習会風景、講師も今更と言わんばかりのルーチン・スピーチ。小学生に倫理を教えている程度?本当に必要?講師本人が無意味さをご理解では?

講習では「法令遵守」「環境配慮」を盛んに語っていましたが、当然のこと!、
そもそも建築士とは?すら語っていませんでした。無論、施工側の利益追求型の建築士の方が多いのですが?悲しい話!

「本来、建築士はクライアントの立場を保証する第三者、クライアントの思いをプロとして表現する代理者として、コストを含め適切に守るプロです。いわゆる、施主の建築的弁護士です。」

そんな建築士はどれだけ居るんだろうか?

施工者からキックバックを貰っていない建築士?
(施主了解、施工者発注は良しとしても。)
そもそも、施工社内建築士は営利側!事実、営業が強く、設計の自由や施主の想いの実現にほど遠い存在です。
(ザックリ大手の特質です。町場では頑張っている工務店もありますが?)

ほんとうに、つれづれとなりました。
そのうちまた、つれづれ!?!